IRメッセージ

代表取締役社長 中村 栄輔

Q.上期の営業状況と通期業績の見通しについてお聞かせください。

A.コロナ禍の収束によって外食需要は回復してきましたが、物価の高騰による消費者の生活防衛意識の高まりや、世界的な原材料価格の高騰など、まだまだ先行き不透明な状況が続いています。このような環境の中、当社グループでは、仕入れコスト上昇への対応に尽力するとともに、中期経営計画『Challenge & Support』で掲げた施策の遂行に努めました。
基幹事業である国内モスバーガー事業では、販管費の抑制を徹底し利益確保に取り組んでおります。一方で3月に実施した価格改定後も店舗売上は好調を保っており、上期の既存店売上高は前年同期を6.7%上回りました。メディアを活用した販売促進にも積極的に取り組み、テレビ番組とのタイアップ企画や様々なコラボレーション企画などがいずれも好評で、売上に貢献しました。海外におきましても、コロナ後の人流の変化に対応し、既存店の強化に努めるとともに、不採算店舗の閉鎖や本部コストの削減などの収益性改善に取り組みました。
これらの結果、上期の連結業績は、売上高が461億38百万円(前年同四半期比11.3%増)、営業利益23億68百万円(前年同四半期比175.6%増)、経常利益25億65百万円(前年同四半期比160.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は15億円(前年同四半期比98.5%増)となり、特に利益水準が大幅に回復しました。
通期業績については、売上高900億円(前期比5.8%増)、営業利益27億円(前期は営業利益41百万円)と計画しています。中間配当金については、14円とさせていただきました。期末配当についても中間と同額の14円と計画しています。

Q.各事業の取り組みについてご紹介ください。

A.国内モスバーガー事業は、「家族みんながワクワクする、モスらしい感動体験を提供する」をテーマに、様々な施策を展開しました。看板商品のモスバーガーを白いチーズソースでアレンジした「白いモスバー
ガー」や、お月見をイメージした「月見フォカッチャ」をリニューアル販売しました。店舗に関する施策としては、これまで未開拓であった都市部の住宅地近接のコンパクトな物件など、多様な立地に適応した店舗づくりを推進しました。また、各地域の特産品を使った「まぜるシェイク」シリーズなどの地域密着商品の販売にあたっては、店舗メンバーが産地を訪れるなど生産者との交流も深めました。
さらに、モスブランドを活用した新たな事業として、公式オンラインショップ内に、「モスライスバーガー専門店」を新設しました。海外店舗で好評だった商品をアレンジした「モスライスバーガー〈ガパオ〉」などオリジナルの商品を各種取り揃えました。異業種とのコラボレーションにも引き続き積極的に取り組んでおり、銀座三越に期間限定で「モス越」をオープンし、デパ地下の人気店の味を取り入れたハンバーガーを販売しました。また、子供服ブランド「devirock(デビロック)」と共同で、食べこぼしの汚れなどが落ちやすい防汚機能のあるトレーナーやエプロンなどを商品化しました。
海外事業は、8つの国と地域で展開しています。コロナ後の商圏及び人流の変化を見据え、当面は積極的な出店よりも既存店の回復を優先する方針を取っており、不採算店舗の閉店など、収益性の改善に努めています。また、原料などのコストが増加し、厳しい経営環境が続きますが、連結子会社の香港やシンガポールでは7月に価格改定を行うなど、収益体質の強化にも取り組んでいます。

Q.株主の皆様へのメッセージをお願いします。

A.おかげさまで、当社は昨年創業50周年を迎えることができました。そして今、新たな50年に向けて歩み始めています。当社の社名には、「Mountain, Ocean, Sun」(人を愛して、自然を愛して)という創業者・櫻田慧の想いが込められています。この想いを受け継ぎ、当社は早くから地球環境や社会的課題に積極的に取り組んできました。前期末に、ESGの観点から「食と健康」など4つのマテリアリティ(重要課題)の見直しを行い、事業活動を通じた社会価値の創造に取り組んでいます。これからも創業者の想いや50年かけて育ててきた経営基盤、事業の根幹を大切にしながら、それらをより確固たるものとし、100年企業を目指してまいります。
株主の皆様には、今後ともより一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申しあげます。

株式会社モスフードサービス
代表取締役社長

中村栄輔