トップメッセージ

代表取締役社長 中村 栄輔

上期の営業状況と通期業績の見通しについてお聞かせください。

A.国内の外食産業では、個人消費の持ち直しやインバウンド需要の拡大によって、需要の回復傾向が続いています。一方で、不安定な国際情勢や原材料価格の高止まりなど、先行き不透明な状況も続いています。このような環境の中、当社グループは引き続き、最終年度を迎えた中期経営計画の中期スローガン「Challenge & Support」への取り組みを推進しました。
基幹事業である国内モスバーガー事業では、消費の二極化に対応した商品として、プレミアム価格帯の新たな定番商品や期間限定商品を発売しました。3月に発売した“新とびきり”シリーズは、国産牛100%を使用したパティを挟んだ、日本の良さを存分に楽しめる高付加価値バーガーです。レギュラー価格帯の商品に加え、こうしたプレミアム価格帯の商品をラインナップすることで、お客様の選択肢を増やし、顧客層を拡大することができたと考えています。また、販管費抑制の徹底、在庫回転率向上による保管費の減少、配送の効率化など、コストの抑制にも全社的に取り組みました。
これらの結果、上期の連結業績は、売上高が475億78百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益27億11百万円(前年同期比14.5%増)、経常利益28億48百万円(前年同期比11.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は17億82百万円(前年同期比18.8%増)となりました。
通期業績については、売上高940億円(前期比1.0%)、営業利益42億50百万円(前期比1.5%増)と計画しています。中間配当金については、15円とさせていただきました。期末配当についても中間と同額の15円を計画しています。

各事業の取り組みについてご紹介ください。

A.国内モスバーガー事業では引き続き、お客様のニーズに合わせた商品やマーケティングを展開するとともに、お客様との接点の量と質を徹底的に強化するため、積極的な出店や地域に密着した店舗運営を推進しました。ブランドスローガンとして「モスしかできないことしよう。」を掲げ、先ほどご紹介した高付加価値商品の“新とびきり”シリーズや、真っ白なビジュアルが目を引く「白いモスバーガー」などを投入、人気キャラクターとのコラボレーション企画も好評を博しました。このほか地域密着の取り組みとして、各地域で「モスの産直野菜フェスタ」などを実施し、地元野菜を用いた個性豊かな商品を販売しました。
店舗の運営に関しては、デジタル技術のさらなる活用を推進し、店舗運営の効率化やお客様の利便性向上に努めました。9月には、客席からスマートフォンやタブレットで簡単に商品を注文でき、レジに並ぶ必要のない「お席で注文」を全店に導入しました。このほか、将来の人手不足を見据えた「フルセルフレジ」の導入、大きなメニュー表示でお客様の商品選択をサポートする「デジタルサイネージ」の活用などを推進しました。
海外事業は現在、アジアの国と地域を中心に展開しています。商圏や人流の変化に対応するため、不採算店舗の閉店など収益性の改善に努めております。引き続き収益の改善に努めるとともに、日本発の定番商品に加え、現地の嗜好を取り入れたローカライズ商品を販売するなど、地域に根差した店舗展開を進めます。

株主の皆様へのメッセージをお願いします。

A.私たちは今、社会課題の解決のため、マテリアリティに取り組み、サステナビリティ経営をより一層推進しています。当期においても、規格外野菜も使用する新業態のドリンクスタンド「Stand by Mos」をオープンするなど、社会や環境への貢献を目指すさまざまな試みに挑戦しています。
私は、当社グループで働くすべての人が、経営理念やビジョンといった「モスの心」を大切にするとともに、「アントレプレナーシップ(起業家精神)」に富んだ人材に成長してほしいと願っています。こうした人材が、中長期ビジョン「『心のやすらぎ』『ほのぼのとした暖かさ』をお届けし、世界が注目する外食のアジアオンリーワン企業へ」の達成を支えてくれると考えています。そして、あらゆるステークホルダーの皆様とのつながりがさらに深まり、当社グループの持続的な成長につながると確信しています。
株主の皆様には、今後ともより一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申しあげます。

株式会社モスフードサービス
代表取締役社長

中村栄輔