トップメッセージ

代表取締役社長 中村 栄輔

2025年度の経営成績についてお聞かせください。

A. 雇用・所得環境の緩やかな改善やインバウンド需要によって、国内の外食需要は底堅く推移しました。一方で、原材料・エネルギー価格の高止まりや人手不足の深刻化、人件費の上昇など、依然として予断を許さない事業環境が続いています。このような環境の中、当社は2025年5月に2025〜2027年度中期経営計画を発表しました。スローガンに「アントレプレナーシップ&イノベーション」を掲げ、2030年のありたい姿である「世界が注目する外食のアジアオンリーワン企業」の実現に向け、初年度の各施策に懸命に取り組みました。
主力の国内モスバーガー事業では、消費の二極化に対応する「価格のグラデーション化戦略」が奏功し、幅広い層のお客様の獲得につながったことで、全店売上高、既存店売上高、客数・客単価のすべてで前年を上回る成績を残すことができました。あわせて、全社的な販管費の抑制、在庫回転率の向上による保管費の抑制、輸送の効率化など、多角的なコスト抑制にも継続して取り組みました。
これらの結果、2025年度の連結経営成績は、売上高1,027億73百万円(前期比6.8%増)、営業利益は65億61百万円(同25.6%増)、経常利益は71億7百万円(同27.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は45億87百万円(同45.6%増)となりました。おかげさまで売上高は初めて1,000億円を突破、各段階の利益も過去最高となりました。こうした状況を受け、期末配当につきましては前期末比4円増となる19円(通期34円)とさせていただきました。また、投資と還元の両立に向け、還元方針を従来の配当性向から、自己株式取得を含む総還元性向30%を目安とする方針へ変更いたしました。今後も機動的かつ安定的な還元を通じて、株主の皆様の期待に応えてまいります。

各事業の取り組みについてお聞かせください。

A. 国内モスバーガー事業では、日本の食文化を大切にした商品開発に取り組むとともに、「和ごころエンジョイ」をキャッチフレーズにしたマーケティングを展開しました。お得感を高めて健康意識の高い層にも訴求した「アボカドバーガー」や、素材と製法にこだわり抜いた数量限定の超プレミアム商品『モスの匠味(たくみ)』黒毛和牛のダブルチーズバーガー」などの販売が好調だったほか、日本で生まれたハンバーガーチェーンとして、日本各地の食材や特色を活かした魅力ある商品をエリア限定商品として展開し、好評を博しました。
店舗施策としては、居心地の良い空間づくりを推進したほか、カフェ需要への対応や店舗オペレーションの効率化を図りました。不採算店舗の整理を進める一方、家賃や建築コストが高騰する環境下でも利益を確保できる高収益モデルの開発に着手しました。今後も厳選した新規出店と低収益店舗の閉店を並行し、次期中期経営計画での再成長に向けた収益基盤の強化を図ります。また、ドライブスルーの効率化とホスピタリティの向上を目指し、AI音声認識を活用した自動注文システムの実証実験を開始するなど、デジタル技術の活用にも精力的に取り組みました。
海外事業については、現在、アジアの6つの国と地域で展開しています。店舗の収益性改善や不採算店舗の閉店、管理コストの抑制などに取り組んだ結果、店舗網の最適化が進み、2025年末時点の海外店舗数は411店舗となっています。現中期経営計画で再整備した強固なグループ機能やマネジメント体制を活かし、次期中期経営計画では、戦略実行期として、新規国への出店など成長に向けた施策を本格的に実行していきます。この一環として、グローバルな食材供給ネットワークの構築に着手しており、台湾で新工場の稼働に向けた準備を進めています。
新規飲食事業では、経営資源の選択と集中による店舗網の最適化に加え、商品力の強化やサービス品質の向上を図り、収益力の改善を推進しています。日常的に玄米食を楽しめる「玄米食堂あえん」については、低投資・省人化モデルとして多店舗展開に向けた基盤づくりに取り組んでおり、2026年3月には東京都町田市に新店舗をオープンしました。

株主の皆様へのメッセージをお願いします。

A. おかげさまで2025年度は、連結売上高1,000億円の達成や過去最高益の更新など、当初の目標を大きく上回る経営成績を残すことができました。国内既存店の平均月間売上高は2019年度に比べて約1.5倍に伸長しており、多くのお客様にご来店いただけましたことを、心より御礼申しあげます。今後も厳しい事業環境が続くことが予想されますが、中期経営計画のもと、DX投資や高収益店舗の開発、海外工場の稼働など、次なる飛躍に向けた成長投資を加速してまいります。
当社は、不変の羅針盤である理念体系「モスの心」を時代に合わせて磨き上げ、2025年からは新たなミッション「食を通じて、世界中の人を幸せにすること。」の実現に向け、全社一丸となって取り組んでいます。私たちの基本姿勢である「心配り」を、店舗におけるお客様との接点だけでなく、株主様を含むすべてのステークホルダーの皆様との関係においても徹底し、持続的な成長の実現を目指してまいります。
株主の皆様には、今後ともより一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申しあげます。

株式会社モスフードサービス
代表取締役社長

中村栄輔