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■大井川町を拠点として
代表の鈴木貴博さんは今年で32歳の若手農業者です。5〜6年前までは、静岡市内の畑で耕作をしていた鈴木さんですが、現在は市内から1時間あまりの大井川町を拠点としています。大井川町は、その昔、大井川が氾濫して川の砂利が平野部に流れ込んだという名残りから、畑には砂利や石がとても多い環境です。鈴木さんの畑でも、作土は30cmもあれば良い方で、掘っても掘っても石が出てきます。そのため、肥料の持ちもよくありません。素人目には、あまり良い条件の畑には思えないのですが、なぜ、鈴木さんは大井川町に拠点を移したのでしょうか?
■水はけの良い畑を求めて
鈴木さんは、静岡市内で耕作していた際には畑の水はけの悪さに非常に苦しめられたそうです。「レタスの生育には加湿が大敵です。原産地である地中海の乾燥地帯に近い生育環境をいかに整備するかをいつも考えています。そうした理想を追い求めた結果、静岡市から藤枝市へ、そして、水はけが抜群の大井川町の畑へと辿りつきました。肥料もちはあまり良くありませんが、水はけが抜群なんです。」と鈴木さんは言います。また、畑に畝を立てる際には、わずかな勾配をつけて余分な水分が自然に排水するように畑を整備しています。「大雨が降っても1日で畑の排水が出来るような努力は常にしてあります。」と自信をもって語ります。さらに、大井川町はきれいな地下水が豊富な地域でもあります。鈴木さんのレタス作りは、水はけのよい畑ときれいな水質の2つの柱に支えられています。
■地力の向上のために
「石が混じっていて、肥料持ちが悪い」という畑でのレタス栽培ですが、「地力の無さは、人間が努力すれば改善出来る事です。」と鈴木さんは言います。(株)鈴生では、冬期のレタスと夏期の枝豆を主な生産品目として栽培しています。夏に枝豆を収穫した後には、この枝豆の茎や葉などの残渣(ざんさ:収穫をした作物の残りの部分。根、茎、葉など)を畑に戻す事によって、畑に多くの繊維質と肥料分の補給ができます。また、大井川町からの要請もあり、地域貢献の一環として、秋にはコスモスを畑に植えるそうです。このコスモスも緑肥として鋤(す)きこみ、繊維質を畑に戻しています。「窒素成分というより、繊維質を畑に戻すことに重点を置いています。肥料持ちの良い豊かな土に改良する事がねらいです。」と鈴木さんは言います。ちなみに、コスモスの見ごろは10月下旬から11月上旬にかけてとのことです。
■必要最低限の農薬散布
鈴木さんのレタス作りのポリシーは、「殺菌剤は使用しない」という点にあります。その代償は、病気の発生と収穫量の減少として現れてきます。「この2月の長雨と寒さのダブルパンチで、菌核病が多発して畑の3分の1のレタスが被害を受けました。こんな状況は初めてです。」と鈴木さんは語ります。ここまで被害を受けても、なぜ殺菌剤を使用しないかというと、鈴木さんなりのポリシーがあります。「虫は外部から飛んでくるから多少は仕方がないですが、病気は畑の環境をしっかり整備すれば発生を減らせるものです。病気にならない畑を作ろうというのが僕達の考え方です。」と鈴木さんは言います。ただし、殺虫剤は、アブラムシやハモグリバエなどの害虫対策として必要最低限に使用します。その回数は、同一地域の一般的な散布回数の8割以下に削減しています。
■レタスだけバーガー?!
モスの担当者が鈴木さんの畑を訪れたのは3月の中旬、3/24からスタートする「とびきりハンバーグサンド トマト&レタス」の発売を前に、主力産地である(株)鈴生の作柄状況を確認するためです。2月の長雨、低温の影響はあるにはありますが、なんとかキャンペーンまでには回復できる状況を確認し、モスの担当者も鈴木さんも一安心。ここで、モスの担当者がハンバーガーのバンズを持ち込んで、「レタスだけバーガー」を作ろうと鈴木さんに提案。実際に食べてみると、意外なおいしさにビックリ。バンズの甘みとレタスのほろ苦さが予想以上に合うことを発見しました。「これは新商品として売ってみようか?」など、生産現場でアイデア話が盛り上がる一場面でした。
■兄弟達からのメッセージ
(株)鈴生を支える3兄弟の次男、崇文さん、三男、靖久さんに、現在の畑の状況とお客様へのメッセージをうかがいました。
次男 崇文さん ・・・ 現状は、レタスの巻き具合も若干あまいし、小玉のレタスもたくさんあります。また、一部病気なども出ているので、出荷の際は畑で注意しています。ハンバーガーといえば、レタスはメインの具材ではないのですが、僕達のレタスはメインになれるレタスだと自信を持っています。ぜひ味わって食べて頂きたいです。
三男 靖久さん ・・・ 気温も上がってきて、レタスを覆っているビニールトンネルを外したい時期に来ているのですが、生育にはまだバラつきがあって、朝晩はとても冷えるので、まだトンネルは外せないですね。トンネルの開け閉め管理を毎日行っていることもあって、だんだんといいレタスが出来てきています。僕達も一生懸命作っているので、ぜひ味わって食べていただきたいです。
■発売記念イベントにも登場
「とびきりハンバーグサンド レタス&トマト」の発売記念イベントに、モスの協力農家代表として鈴木さんに登場をお願いしました。当日は、食糧自給率の向上に向けた国民運動「FOOD ACTION NIPPON」の応援団であり、料理愛好家の平野レミさんをゲストに迎え、日本の食と農を守ろうというテーマでトークを行いました。「地球の裏側から野菜を輸入するというのは、その輸送の為の燃料もかかるしおかしい。鈴木さんみたいな真面目な農家の野菜を皆さんにもっと食べて欲しい。」と平野レミさん。「輸入に頼ることは、なにより国内の農業が育ちません。国産の野菜を手に取ることは日本の農地を守ることにも繋がります。将来の子供達に、安全安心な食と、健全な農地を残してあげる為にも、ぜひ国産の野菜をたくさん食べてください。そして、僕達農家にもたくさんの叱咤激励を寄せて下さい。」と、鈴木さんからも熱いメッセージをいただきました。
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兄弟3人の息のあった作業
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平野レミさんとトークする鈴木さん
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